膝を伸ばし、かかとを深く下ろすカーフレイズを週2回
まずはこの1種目で足ります。階段の段差がひとつあれば、器具がなくても今日から始められます。
ふくらはぎの働き:つま先立ち、歩く、走る、跳ぶ
ふくらはぎの仕事は、かかとを持ち上げることです。棚の上の物をつま先立ちで取る。歩くとき、後ろの足で地面を押す。信号が変わりそうで小走りになる。縄跳びで着地して、すぐ跳ね返る。どれも足首を伸ばしてかかとを上げる動きです。
「第二の心臓」と呼ばれるのは、ふくらはぎの筋肉が縮むたびに脚の静脈を外から押し、血液を心臓のほうへ送り返すのを助けているからです。筋ポンプと呼ばれる働きで、歩くだけでも起きています。ただ、鍛えればむくみや冷えがなくなる、とまでは言えません。
ふくらはぎの鍛え方:自宅とジムのカーフレイズ
どの種目も、やることは「かかとを下ろして、上げる」だけです。種目ごとに、気をつける点を1つずつ挙げます。
| 種目 | コツ | 難易度・器具 |
|---|---|---|
| 自重カーフレイズ(段差) | 階段などの段差につま先側を乗せ、かかとを段差の面より下まで下ろしてから上げる | 初級・段差 |
| スタンディングカーフレイズ(スミス) | バーを担ぎ、膝を伸ばしたまま上げ下げする | 初級・スミスマシン |
| レッグプレスカーフレイズ | つま先側だけを板に乗せて押す。いちばん下で1秒止める | 初級・レッグプレス |
| シーテッドカーフレイズ | 座って行う。反動で弾ませない。立つ種目の次に足す1本 | 初級・専用マシン |
| 縄跳び | かかとを着けずに小さく跳ぶ。跳ね返るバネの練習で、ふくらはぎを太くする目的の種目ではない | 初級・縄 |
自宅なら、まず段差での自重カーフレイズ。両脚で20回が楽になったら、同じ段差で片脚に替えます。壁や手すりに指を添えて、ふらつきだけ止めてください。ジムでレッグプレスを終えた日は、席を立つ前にそのままカーフレイズを足せます。
よくある失敗3つ
ジムでよく見るのは、重りを積みすぎて動きが小さくなっている形です。直すところは次の3つ。
回数は多いのに、ふくらはぎが疲れない → 反動を使わずに上げ下げする
かかとを落とした反動で、すぐ次の1回を上げている形です。アキレス腱のバネで跳ね返るぶん、筋肉の仕事が減ります。止めると、同じ重さでも回数は減ります。
よくある落とし穴:回数が減ると、元の回数に戻したくなって、また反動を使いがちです。止めてできた回数を、次からの基準にしてください。
重くするほど、太ももが先に疲れる → 足首だけを動かせる重さまで下げる
重くしすぎると、下ろすたびに膝が折れ、太ももの力で押し上げるようになります。動いているのは膝で、足首はほとんど動いていません。重さを下げて、足首の動きだけで上げ下げできるところを探してください。
よくある落とし穴:膝を力いっぱい突っ張る必要はありません。伸ばした位置のまま動かさなければ足ります。
かかとを上げると、足元がぐらつく → かかとをまっすぐ上へ上げる
上げきるところで足首が外へ傾き、小指側に体重が流れる形です。足元が不安定になり、かかとも高く上がりません。横からは見えない崩れなので、後ろから動画を撮ると気づけます。
よくある落とし穴:片脚で行うと出やすい崩れです。ぐらつくうちは、両脚に戻して構いません。
3つとも、重さを少し下げると直しやすくなります。
ふくらはぎの筋肉は2つ:腓腹筋とヒラメ筋
2つを合わせて下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼びます。どちらもアキレス腱になって、かかとの骨に付きます。
- 腓腹筋(ひふくきん) — 表面にある、ふくらはぎのふくらみ。膝の上から始まり、膝と足首の2つの関節をまたぐ
- ヒラメ筋 — 腓腹筋の奥にかくれた平たい筋肉。すねの骨から始まり、またぐのは足首だけ
2つの違いは、膝を曲げると表に出ます。腓腹筋は膝の上から始まっているので、膝を曲げるとゆるんで力を出しにくくなります。椅子に座ってかかとを上げるときは、そのぶんヒラメ筋の受け持ちが大きくなります。立って膝を伸ばせば、2つとも力を出せます。膝を伸ばしたカーフレイズから始めれば、腓腹筋とヒラメ筋の両方を使えます。
回数・セット・頻度の目安
まずは、次の組み合わせひとつで始めてください。
- 回数 — 8〜20回。あと1〜2回で限界、というところで止める
- セット — 1回のトレーニングで2〜4セット
- 頻度 — 週2〜3回。あいだを1〜2日あける
- テンポ — 2秒かけて下ろし、いちばん下で1秒止めてから上げる
軽い重さで回数を多くしても、重い重さで回数を少なくしても、限界近くまで行えば筋肉の増え方に大きな差は出なかった、という報告があります(Schoenfeld ら 2020)。30回、50回と決め打ちする必要はなく、この記事では8〜20回を目安にしました。その幅のうち、続けやすいところで構いません。自重で20回を超えても余裕なら、片脚にするか重りを足します。
かかとを深く下ろした側で動かしたほうが、腓腹筋が大きくなりやすかったという報告もあります(Kassiano ら 2023)。上げる高さより、しっかり下ろすほうを優先してください。
座って行うカーフレイズは、必須ではありません。運動経験のない人が12週間続けた研究では、腓腹筋は立って行ったほうがよく育ち、ヒラメ筋は立っても座っても同じくらいだったと報告されています(Kinoshita ら 2023)。この研究だけで優劣は決められません。迷ったら立って行う種目を続け、余裕があれば座る種目を足してください。
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ふくらはぎのストレッチ:壁を押す2種
壁に両手をつき、片足を後ろへ引いた形から始めます。後ろ足のかかとは床につけたまま、つま先は正面へ。
- 膝を伸ばす — 後ろ脚の膝を伸ばしたまま、腰を壁のほうへ寄せる。伸びるのは、ふくらはぎの上のほう(腓腹筋)
- 膝を軽く曲げる — 同じ足の位置で、後ろ脚の膝を軽く曲げて腰を落とす。伸びる場所がアキレス腱寄りへ下がる(ヒラメ筋)
どちらも20〜30秒を2〜3回。反動はつけず、痛みの手前で止めます。膝を曲げる形を足すのは、腓腹筋をゆるめて、奥のヒラメ筋まで伸ばしやすくするためです。カーフレイズの後や、入浴後の体が温まっているときに行ってください。
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中止して受診する目安
次のどれかに当てはまるときは、筋トレもストレッチも中止してください。
- 「バチッ」と音がした・後ろから蹴られた感じがした・つま先立ちができない — その日のうちに整形外科へ
- 運動中の急な鋭い痛み・内出血 — 中止して整形外科へ
- 片脚だけの腫れ・赤み・熱 — 揉まずに、早めに医療機関へ。息苦しさや胸の痛みを伴うなら救急へ
- かかとの上の痛みが2週間続く — 整形外科へ
筋肉痛や張りとは別のものです。痛む場所を揉んだり伸ばしたりして様子を見るのは避けてください。
よくある質問
カーフレイズは毎日やってもいいですか?
目安は週2〜3回で、あいだを1〜2日あけます。あと1〜2回で限界というところまで行った翌日は、休む日にしてください。
ふくらはぎを鍛えると、脚は太くなりますか?
筋肉は少しずつしか増えないので、週2回のカーフレイズで急に太くなる心配はまずありません。
ふくらはぎは遺伝で決まっていて、鍛えても変わらないのですか?
筋肉の付く位置は変えられませんが、筋肉そのものは鍛えれば育ちます。ただ、反応の個人差が大きい部位です。人と比べるより、回数や重さの記録で自分の変化を見てください。
ふくらはぎを鍛えると、むくみや冷えに効きますか?
鍛えれば解消する、とは言えません。むくみが続くとき、片脚だけむくむときは、筋トレで様子を見ずに医療機関へ相談してください。