懸垂・ラットプルダウンの種類8選|自重とマシンを徹底比較

公開日:2026-07-12 更新日:2026-07-12

懸垂とラットプルダウンは、どちらも体を上から下に引く「垂直プル」系の種目で、広背筋(背中の逆三角形を作る筋肉)を鍛える代表的なトレーニングです。ただし懸垂は自分の体を持ち上げる自重種目、ラットプルダウンはケーブルでバーを引き下ろすマシン種目という違いがあり、フォームの難易度や負荷の調整しやすさも大きく異なります。

この記事では本サイトに掲載している懸垂・ラットプルダウン系8種目を比較表と動くフォームイラストで整理し、「懸垂ができない人はどう始めるか」「握り方でどう変わるか」まで含めて初心者〜上級者のレベル別に解説します。

懸垂とラットプルダウンの違い|体を引き上げるか、バーを引き下ろすか

懸垂は体(重り)が動き手は固定される種目で、広背筋に加えて体幹や肩甲帯の安定化も同時に要求される全身性の高い種目です。一方ラットプルダウンは体を座面に固定しバー側が動くため、狙った軌道を再現しやすくフォームの難易度が低いのが特徴です。

負荷の面でも違いがあります。自重の懸垂は体重に依存するため重量の刻みが粗く、加重ベルトなどを使わないと負荷を細かく調整できません。ラットプルダウンはケーブルの張力を使うため重量やレップ数を細かく調整しやすく、追い込みの一種目としても扱いやすいのが利点です。

初級者向け|引く筋力の土台を作るインバーテッドロウ・アシスト懸垂・ラットプルダウン

懸垂が1回もできない段階では、インバーテッドロウ(斜め懸垂)やアシスト懸垂マシンで引く動作そのものに慣れるのが現実的です。インバーテッドロウは体の角度で負荷を調整できるため、体幹の安定も含めた「引く」動作の土台作りに向いています。

ラットプルダウンは順手・座位でフォームの自由度が低く、負荷管理がしやすい基準種目です。逆手で行うアンダーグリップラットプルダウンは、懸垂で使う逆手グリップの感覚を先に試せる種目として位置づけると使い分けがしやすくなります。

中級〜上級者向け|懸垂・チンアップ・パラレルグリップ・マッスルアップ

懸垂ができるようになったら、グリップ違いで刺激を変えていきます。逆手で行うチンアップは上腕二頭筋の関与が増え、同じ本人でも順手の懸垂より重量・回数が伸びやすい傾向があります。手のひらを向かい合わせるパラレルグリップ懸垂は肩関節が中間位に近く、肩に不快感が出にくいグリップとされています。

マッスルアップは懸垂とディップスを爆発的につなぐ複合スキル種目で、筋肥大を狙う基本種目というよりは発展種目として扱うのが適切です。フォームが確立していない状態で頻度高く行うと肩や肘を痛めるリスクがあるため、懸垂・チンアップを十分にこなせるようになってから取り組みましょう。

懸垂・ラットプルダウン系8種目の比較表

種目主に効く部位難易度特徴
インバーテッドロウ(斜め懸垂) 広背筋 初級 体の角度で負荷調整できる、懸垂の前段階に向く導入種目
アシスト懸垂マシン 広背筋 初級 アシスト機構で懸垂0回からでも正しいフォームで練習できる
ラットプルダウン 広背筋 初級 座位で軌道が安定、負荷管理がしやすい基準種目
アンダーグリップラットプルダウン 広背筋 初級 逆手グリップをケーブルで先取りできる導入種目
チンアップ(逆手懸垂) 広背筋上腕二頭筋 中級 逆手で二頭筋の関与が増え、懸垂より挙げやすい入口種目
パラレルグリップ懸垂 広背筋上腕二頭筋 中級 肩関節が中間位に近く負担が少ないとされるグリップ
懸垂(チンニング) 広背筋 中級 背中トレの到達目標となる基準種目
マッスルアップ 広背筋上腕三頭筋 上級 懸垂とディップスをつなぐ上級者向けの複合スキル種目

動くフォームで見る代表種目

下記の種目ページで、動くフォームイラストを確認できます。

レベル別の選び方

  • 初心者:インバーテッドロウやアシスト懸垂マシン、ラットプルダウンを軸にフォーム習得を優先しましょう。週2〜3回、8〜12回×3セットを目安に、反動を使わず引く動作そのものに慣れることを意識してください。
  • 中級者:チンアップやパラレルグリップ懸垂、懸垂をローテーションしながら加重懸垂への移行を目指しましょう。ラットプルダウンは高レップの追い込み用補助種目として併用すると効果的です。週2回、5〜10回×3〜4セットが目安です。
  • 上級者:加重懸垂を主種目に据え、総ボリュームと漸進性過負荷を意識して重量を伸ばしていきましょう。マッスルアップに取り組む場合は筋肥大目的の主種目ではなく技術練習として扱い、フォームが安定するまで頻度を上げすぎないことが大切です。

よくある質問

懸垂とラットプルダウン、どちらが効果的ですか?

フォームが安定し自重で8回以上挙げられるなら、体幹の関与も含めて懸垂の方が効率的なことが多いです。まだできない、または高レップで追い込みたい場合はラットプルダウンが有効です。どちらか一方に絞るのではなく、懸垂を主種目・ラットプルダウンを補助や追い込みに使う組み合わせが現実的です。

握り方を変えると効く部位は変わりますか?

逆手グリップでは上腕二頭筋の関与が明確に増え、同じ本人でも重量や回数が伸びやすくなります。ただし広背筋の中で上部・下部といった特定の部位だけを握り方で狙い分けられるという強い根拠はなく、あくまで相対的な刺激の違いにとどまる点には注意してください。

懸垂が1回もできません。どう練習すればいいですか?

アシスト懸垂マシンやラットプルダウン、インバーテッドロウを組み合わせて引く筋力の土台を作るのが現実的です。ネガティブ動作(下ろす動作だけを行う練習)単独に頼らず、複数の種目を組み合わせて総合的に鍛えましょう。

マッスルアップは筋肥大のために必要ですか?

必須ではありません。マッスルアップは懸垂とディップスを爆発的につなぐ技術・パワー要素の強い種目で、広背筋の肥大だけを狙うなら懸垂やラットプルダウンの方が効率的です。発展種目として楽しむ位置づけで取り組むのがよいでしょう。

肩や肘に違和感がある場合、どのグリップを選べばいいですか?

パラレル(ニュートラル)グリップは肩関節が中間位に近く、比較的負担が小さいとされる選択肢の一つです。ただし痛みや違和感がある場合は自己判断で継続せず、無理をせずに整形外科など医療機関に相談してください。