バーベルスクワット
「キング・オブ・エクササイズ」。下半身全体と体幹を鍛え、筋量・筋力・ホルモン分泌すべてに効く最重要種目です。
バーベルスクワットは、こう動かす
効く場所:大腿四頭筋・大臀筋(あわせて働く:ハムストリングス・脊柱起立筋・内転筋群・腹直筋)
動かす範囲:太ももが平行が目安 〜 膝を伸ばして立つ
外せない点:
- バーの位置
- 足幅とつま先
- 目線
- しゃがむ深さ
やり方
担ぐ前に、自分がどこまで下ろせるかを決めます。何も持たずにしゃがんでみて、踵が浮くか背中が丸まるかしたところが、いまの下限です。担いだらそれより浅く止めます。
バーの位置:首の骨ではなく、僧帽筋の上に乗せます。肩をすくめて筋肉の台を作ってから担ぐと、当たりません。高く担ぐと上体が立って膝主体の動きになり、低く担ぐと上体が前に傾いてお尻と太ももの裏の担当が増えます。
足幅とつま先:肩幅から少し広めに開き、つま先はやや外向き。しゃがんだとき、膝がつま先と同じ方向を向いていれば合っています。
目線:斜め前の床を見ます。真上を向くと腰が反り、足元を見ると背中が丸まります。
しゃがむ深さ:太ももが床と平行になるところがひとつの区切り。ただし背中がまっすぐ保てる範囲が優先です。丸まって深く下ろすより、浅くてまっすぐのほうが脚に届きます。
しゃがむ前に息を吸い、腹を前後左右へ膨らませて固めます。いちばん重い切り返しを抜けるまで息を保ち、立ち上がりきってから吐きます。
息を止めて支えるあいだは血圧が上がります。高血圧や心疾患がある人、めまいが出たことがある人は、息を止めずに扱える重量までとどめてください。
セーフティは、しゃがみきった位置よりわずかに低い高さに設定します。空のバーで一度預けて、下から抜け出せることを確かめてからプレートを載せてください。
バーベルスクワットとは
バーベルを肩に担ぎ、股関節と膝を同時に曲げて腰を落とし、また立ち上がる。この上下1回を繰り返すのがバーベルスクワットです。担がずに同じ動きをすれば自重のスクワットになります。太ももの前と後ろ、お尻が主役で、担いだ重さを支える背中と腹も同時に働きます。
ベンチプレス・デッドリフトと並ぶ「BIG3」の一角で、パワーリフティングの競技3種目のひとつです。1回の動作で使う筋肉の量が全種目のなかでも多く、下半身を1種目で覆えることから、種目を絞るときに最後まで残ります。
どこまでしゃがめるかは、筋力より関節の可動域と骨格の比率で決まります。足首が硬い、股関節が詰まる、太ももの骨が長い。同じ深さを全員に当てはめられないのはこれが理由です。他人と同じ深さを目指すより、自分が背中をまっすぐ保てる深さを知るほうが先に進みます。
はじめての人は自重から入り、重りを胸に抱える形を経てバーベルへ進みます。続けている人にとっては、深さを取るか重量を取るかの判断が続く種目です。浅く重く担ぐほど数字は伸びますが、脚に届く範囲は狭くなります。
長所・短所
この種目ならではの強み
- 脚とお尻を1動作で使える:太もも前面・お尻・裏側が同時に動員される。脚の日はこの1種目から組み立てられる。
- 下半身の種目で最も高重量を扱える:背中に担いで全身で支えるため、片脚種目やダンベルより重量が伸びる。
- 体幹の強さも同時に育つ:担いだ姿勢を保ち続けるので、腹筋群と脊柱起立筋が休まず働く。
弱みと、その付き合い方
- フォームの習得に時間がかかる:膝・股関節・背骨を同時に管理する。初日から形になる人は少ないので、ゴブレットスクワットで順番を覚えてから担ぐ。
- ラックとセーフティのある環境が要る:潰れたときにバーを下ろせる設備がないと、追い込む手前で止めることになる。
こう付き合う:環境が無い日はスミスマシンスクワットかゴブレットスクワットに替える。 - 膝や腰に不安があると続けにくい:深くしゃがむ動作と背中への荷重が重なる。膝や腰に既往がある人は、痛みの出ない深さにとどめる。
ひとことで:空のバーで形ができるまで、プレートは足さない。
よくある質問
- 踵が浮いてしまいます。どうすればいいですか?
- 足首の可動域が足りていない状態で、筋力の問題ではありません。壁からつま先を指2本ぶん離して立ち、踵をつけたまま膝を壁につけにいってみてください。届かないなら、踵の下に2〜3cmの板を敷くか、踵の高い靴を履くと、その日から下りるようになります。
- 膝が内側に入ります。
- 重量を半分にして同じ動作をしてください。半分でも内に寄るならお尻の横の筋力が足りていません。寄らなくなるなら、重量が重すぎるだけです。床を外側へ引き裂くつもりで足裏を踏むと、その場で安定します。
- 腰が丸まっているか、自分で分かりません。
- 最下点で骨盤が後ろへ倒れると腰が丸まります。動作中に自分の目では見えないので、横から動画を撮って確かめてください。丸まりはじめる手前が、いまの深さの上限です。
- 何kgから始めればいいですか?
- 何も持たずに10回、背中をまっすぐ保ったまましゃがめるかが先です。そのうえで空のバーから始めます(重さはジムによって15kg・20kgと違うので、置いてあるバーを確かめてください)。あと2〜3回は立てる余力を残した重さで8〜10回を組み、その回数を全セットでこなせた日に少しだけ足します。体重の何倍という数字は、骨格でも器具でも変わるので基準に使いません。
- 自重とバーベル、どちらを選べばいいですか?
- バーベルは重量を伸ばせますが、セーフティのあるラックが要ります。ラックのない場所でバーベルを担ぐ選択はしません。担いだ時点で、潰れたときの逃げ場がなくなるためです。自重は逃げ場を考えずに済むぶん、回数と深さで負荷を作ります。